現在、大変ながらも、色々な活動を通して、地域や、農業を楽しんでおられる百姓天国のみなさん。将来はどのようにしていきたいと考えておられるのでしょうか。
百姓天国で事務局長を務める三島さんにまたまた聞いてみました。
将来的には農業を取り巻く環境は今以上に厳しくなると思っています。
私たちが法人を組織した一番の目的は、そうした厳しい状況が到来しても、先祖伝来の農地と地域を守り老いも若きも楽しく細やかな幸せを感じる集落を作ることです。そのために小さいながらも新しいことに挑戦し、アクティブで進取の気性溢れる法人でいようと気持ちを一つにしています。
将来的に考えていること、そのため準備していることなどを具体的にご紹介します。
後継者ですが百姓天国のような経営規模ですと若い人(20代から40代)が中心にならなくても、いわゆる退職組で十分経営は作業も含めて回していけると思っています。ですから退職後に法人の担い手になってもらえばOKかなと思っています。そのため平素から百姓天国に馴染み、関心を持ってもらうことも行っています。休日に都合がつけばアルバイト感覚で作業に出てもらう、泥落としなどの行事に家族そろって参加してもらうことなどですが、更に今年から若い人や女性にも組合員になってもらいました。主体的に百姓天国のことを考えてもらいたいからです。
私たちは現在環境保全型の農業を拡大しようと思っています。具体的には人の体や環境にやさしい農業です。虫や小動物、ひいては猪たちとも共生する農業です。農薬や化学肥料を使わずに育てた作物やそれを原材料とする加工品を如何に販売していくかは大きな課題であります。多くの人に環境にやさしい農業で育てた米や野菜の価値を理解していただきたいと思っています。
販路として将来に向け考えていることは、海外展開は絶対必要と思っています。まだまだ栽培技術や栽培面積を増やすことなど条件整備が必要ですが、オーガニックの食材を求める消費者はアメリカはもちろん、経済発展している中国、シンガポールなどの国で増加しており、インドでも有機栽培野菜を求める消費者層が出てきたと先日テレビで放映していました。輸出は10年後と言わずに実現したい目標です。
農作業面においても後継者が安心して携われる状態にしておきたいと、現在、再圃場整備事業について検討しています。田んぼの水管理がし易くなるよう水路のパイプライン化はもちろん、畦の草刈りなどはロボットで出来るような傾斜の法面にすること、またドローンを使って直接田面に種を蒔き、苗作りを省力出来るよう圃場の形状を整えること、更に稲の生育状況をPCで管理するシステムを構築することなどが可能になる条件を整えておきたいと皆で話しています。