百姓天国のロゴマークにはイノシシが描かれています。
イノシシといえば、畑を荒らす農家の敵o(`へ´)o
なぜそのイノシシがロゴマークに使われているのでしょうか…?
百姓天国で事務局長を務める三島さんに聞いてみました。
一昔前までは私たちの地域にイノシシなんか出没したことはありませんでした。
猟師さんもいましたが獲るのはタヌキやアナグマ、ウサギなどでイノシシを獲ったという話はほとんど聞いたことがありませんでした。
ところが十数年前からでしょうか、イノシシが里に出てきて田畑を荒らすようになってきました。
原因はよく分かりませんが、山に林道や作業道が作られ、木の伐採などでドングリなどエサがなくなってきたこと、それから集落に住む人たちが高齢化やエネルギーの変化で山の手入れをしなくなり、里と山の境界が不鮮明になったことも原因であると考えられます。
私はそれに加えてもう一つ大きな原因があると思っています。それは以前は集落の各家庭で犬を飼っていました。それも、いわゆる放し飼いです。常に集落に沢山の犬がいて昼夜を問わずウロウロしていましたから。
今は犬の放し飼いは禁止ですし、飼っている家庭も少なくなっています。
ですから、以前は山の中で生活しているイノシシは悪い獣ではないと考えていました。
ところが、最近は各家庭の庭にまで出没し、田畑を一晩で荒らすような悪さをしでかすようになってきました。
一生懸命育てた作物が一晩で無茶苦茶にされる思いは体験者でないとその悔しさはわかないと思いますが、高齢のおばあちゃんが足腰の痛みをこらえて育てた野菜などを食い荒らされたり踏みつぶされて泣き泣き被害を訴えられる姿を見ると、これは退治しなけりゃならないと思うようになってきました。
でも、むやみやたらに罠を仕掛けて退治するのではなく最大限集落への侵入を防ぐ手段を講じ、なおかつ侵入してくる不法者は退治しようと百姓天国では3人が捕獲するための狩猟免許を取得し占守防衛の精神で対応しています。
私たちのめざす農業形態は環境保全型の農業です。小さな虫や動植物と共存、共生しながら、出来るだけ自然の中で育てた作物を消費者に届けることを目標としています。
イノシシも農業をする上ではそんなに役に立っていないようですが、山のためには幾分働いているようにも感じます。
それは、彼らはタケノコが大好きでまだ地中にあるうちに掘って食べてしまいますが、そうすることで竹の繁殖を抑制し、山を守る働きをしていると私は思っています。彼らがいないと竹やぶは猛烈に広がり、山の景観、生態系をも崩してしまうのではないかなと思います。
そういったこともあって、ある時は敵であってもイノシシとも共生していくことが大切でないかと考えています。それに瓜坊は可愛いんです。
ということで、ロゴマークの瓜坊は私たちの実践する環境保全型農業の象徴と言えるかもしれません。
田畑を荒らす敵でありながらも、百姓天国がめざす環境保全型農業に基づいてイノシシともできる限り共生していけるように工夫されているのですね。
撮影に伺ったときには、田畑の周りに電熱線を張り巡らせて侵入を防いでいる様子を目にしました。
かわいい瓜坊のロゴマークには、自然と共生しながら実り豊かな田畑を作っていこうという想いが込められていました。